第45回 新たな散骨「宇宙葬」

遺骨を墓に収めず,焼骨を粉末にして山や海にまく「散骨」をする人が増えているようです。さらに最近では,「宇宙葬」という方式が加わり,人気を集めているようです。「宇宙葬」というとロケットの中に遺灰を入れ,宇宙へと飛ばすことを連想します。

しかし,バルーン工房(宇都宮市)が開発した「宇宙葬」は全く方式が違うのです。同社の開発した「宇宙葬」は,ロケットでなく大型バルーンを使用します。そのため,費用も約20万円程度で済むようです。使用するバルーンは直径約3mで,その中に遺灰の入った小型バルーンが入っているそうです。そして,空に浮かんだバルーンは,高度3万5000m付近の成層圏に到達すると,マイナス50度の冷気で凍り付いて破裂し,そこで遺灰がまかれるそうです。

まかれた遺灰は,長い間成層圏を漂い,いずれ地表におりてくるそうです。またバルーンも地表で分解して土に還る材料でできているそうです。この方式の利用者は,散骨のためにわざわざ海や山に出かける必要もなく,「いつでもどこでも空を見上げて手を合わせることができる。」との理由で,とても喜んでいるとのことです。