第44回 雪の利用

日本は世界でもまれな豪雪国です。日本人はこの雪に長年悩まされてきました。例えば札幌では,1シーズンに約6mもの降雪があり,その除雪作業だけでも150億円かかるそうです。しかし最近では,この雪を上手に使おうという動きが出てきたようです。

北海道美唄市では,99年に雪を使った雪冷房マンションができ,好評のようです。これは,冬の間に積もった雪をため,夏の冷房に利用するというものです。雪には除菌や除湿作用もあるため,この方式を利用するとクリーンでさわやかな空気を提供でき,費用も通常のエアコンの3分の1ですむそうです。

また北海道の沼田町では,5000tの巨大な雪山をつくり,溶けた水を農産物の生産施設に送ったり,米や椎茸などを低温貯蔵しています。雪で低温貯蔵した食品は,電気での低温貯蔵に比べ費用も安く,しかも味がまろやかになるそうです。

このような技術が開発されると,雪が厄介者から新しいエネルギー源として注目されることになるでしょう。