第457回 特化型塾への大変身

これからは全国的に少子化が急加速します。特に地方では,その傾向が顕著となり,個性の薄い教科書準拠型の補習塾等はその存続が厳しくなることも予想されます。それを食い止める策としては,以下の例のように,何かに特化した塾へ大変身することが考えられます。

以上の文章は,去年秋の当社のチラシの冒頭部分です。今までの塾の存在は「必需品」でしたが,今では「贅沢品」のようになってしまいました。そうなると,今後伸びていく可能性のある塾の一つとしては「何かに特化した塾」ということが考えられます。

最近,首都圏でこの考え方を取り入れて開塾し,成功しつつある塾さんから情報を受け取りました。その塾のA先生は,ある総合塾の理数系担当でしたが,「理数系に特化した塾を運営したい」という強い想いでその塾から独立して,この春開業されました。広告はホームページと地域へのポスティングのみ。その地域は教育に関心が高いところということもあり,ポツポツと問い合わせがあり,面談と体験授業を通じて生徒さんが入り始めました。そのニーズには次のようなものがありました。

・有名私立中学に合格したが,数学の授業の進度が速くてついていけない。週1,2回の通塾で,それをカバーして欲しい。
・地域で一番の難関公立高校に合格したが,全体的に生徒の学習意欲が低いため,難関大学への合格に不安がある。独自のプログラムを組んでもらい,難関大学に合格できるだけの数学力を獲得したい。

◇さらに次のようなユニークな生徒も入塾しました。
・小学5年生だが,小学校の算数の授業に飽き足らず,中学や高校の数学に興味を持っている。独自のプログラムを通じて,高度な数学力を身につけたい。

いかがでしょうか。
こんなニーズを掘り起こしていけば,まだまだ入塾への需要はありそうですね。特に最後の例のような生徒を伸ばしていけば,将来ノーベル賞をとれるような人材に育てられるかもしれません。そういった夢も大いに持てそうです。まだ塾生は少人数ながら,生徒全員が「次の授業の日が待ち遠しくてしかたがない」と語っているそうです。私どもとしても,これからのこの塾さんの成長をとても楽しみにしています。