第428回 年齢の数え方

若い人たちの中には「数え年」という「年齢の数え方」を知らない人も多いことでしょう。数え年というのは,生まれた時を1才として,お正月を迎える毎に1つずつ年を加えるという,日本に昔から伝わる年齢の数え方です。この数え方はある意味,理にかなっています。なぜかというと,子どもの誕生というのは,お母さんのお腹に生命が宿ったときですから,それから10月10日(とつき・とうか)を経てお腹から出た時は既に1才近くになっているからです。そして,お正月になるとどんな人でも年神様(としがみさま)から年を1ついただきます。ですから,お正月は日本人全員の誕生日ということになります。そのためにお正月には,皆で「おめでとう」とお祝いするわけです。

この数え年の風習は,私が小さい頃には残っていましたが,昭和24年(1949年)に「年齢のとなえ方に関する法律」ができ,それ以降は現在の満年齢の数え方が普及し始めました。

さて,皆様の今現在の数え年は何才でしょうか。一応知っておかないと,お正月に神社に行ったとき,「今年は厄年か,そうでないか」などを判断する場面で戸惑ってしまうことでしょう。

数え年の算出は,次のように覚えておくと便利です。
・誕生日前であれば,満年齢に2才を足す。
・誕生日後であれば,満年齢に1才を足す。

この話のついでとして,還暦のお祝いは,数え年61才(満60才),古希は数え年70才(満69才),喜寿77才(満76才),傘寿80才(満79才)と続きます。