第426回 「運のいい人」の共通点

最近私は,『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』中野信子著〈サンマーク出版〉という本を読みました。中野氏は脳科学者で,脳や心理学をテーマに研究や執筆活動を精力的に行っておられる方です。

私自身は,かなり危険な場面に遭遇したこともあるため,「自分は運がいい」といつも思っています。そんな経験をしていることと,氏の主張する「『運がいい』ということは,ある程度科学的に追求できる」という考えに興味を覚え,この本を手に取りました。

氏は「運がいい人と言われる人たちをよく観察すると,共通の行動パターン,物事の捉え方,考え方などが見える」と述べています。つまり,運がいい人は「『単に運に恵まれている』という訳ではなく,運を掴み,同時に不運を防ぐような行動,物事の捉え方,考え方をしている」ということです。そしてそれらは,脳科学者の知見をもとにすれば,説明できるようです。例えば,新奇探索性の強弱なども,運の強さに関係してくるようです。例を挙げると,コンビニで飲み物を買う時,ついつい新しい味の商品に手を伸ばしたくなるタイプの人がいます。そしてその反対に,いつも決まったお茶しか手に取らないというタイプの人もいます。後者は新奇探索性が強くない部類の人と言うことができますが,この傾向が極端過ぎると,人生全般において新しい出会いや,自分を飛躍させるチャンスに恵まれることが少なくなり,運を掴む確率も減少するようです。そのため,この傾向が強い人は「敢えて新しいことに挑戦するよう意識する」なども,運を高めるために役立つようです。

その他この本には,運を良くするための色々なヒントが満載されています。「自分の運をさらに高めたい」とお考えの方には,お薦めの一冊です。この本を読むことで,皆さんの人生に新しい節目が訪れるかもしれません。