第42回 教育という病

先日、ある塾の先生からすすめられて標記の本を読みました。今では、私は塾の現場から離れているので学校の実態はわからないのですが、この本を読んで「今、一部の学校はこうなっているのか」と大変驚きました。

1つは運動会における組体操の問題です。組体操のうちに人間ピラミッドというものがあります。
これは、四つんばいになった生徒の上に次々に生徒が乗り、高い場合では10段にものぼるピラミッドを作るそうです。これは「感動」「一体感」「達成感」といったものを目的に行われているようです。しかし、このピラミッドが崩れた時の恐ろしさは軽視されているようです。

例えば10段のピラミッドの場合、その高さは数メートルに及び、一番負荷のかかる生徒は何と240Kg近い重さを背中で受けとめなければならないそうです。これに耐えられず、このピラミッドが崩れたとすると、一番上の生徒は数メートルの高さから落下することになります。また、下の生徒には一気に大きな負荷がかかり、腕の骨が折れるどころか、腰などの複雑骨折も起き、半身不随となってしまい、一生を棒に振るという事故も起きているようです。

その本では「教育とは『善きもの』である」という前提で、このような理不尽なことが学校内で起きていると指摘しています。「学校の常識は世間の非常識」という言葉もありますが、地域社会の目や意見も踏まえ、子どもたちを健全に育てていきたいものです。