第416回 今どきの大学生
京都にある私どもの会社は,同志社大学のそばに立地しています。そのため会社の近くでは,多くの大学生を目にします。さて,今どきの大学生はどんな傾向なのでしょうか。それを知りたくて,『いい子症候群の若者たち』金間大介著〈東洋経済新報社〉という本を読んでみました。氏は金沢大学や東京大学で教授や客員教授をされており,絶えず学生さんと接しています。そのためこの本を読むと,「今どきの大学生」の実像がとてもよくわかりました。
さて,皆さんは今どきの大学生が最も嫌だと思う講義は次のうちどれだと思いますか。
1.座席が指定されている。
2.いつも時間を延長される。
3.講義内容が難し過ぎ,半数が「不可」になる。
4.当てられる。
5.講義室の空調が不適切で,冷え過ぎ(暑過ぎ)である。
6.講師の言っている意味がわからない。
7.成績上位者が公開される。
8.一限(朝一番の授業)に開講されている。
結果は次の順番だそうです。
4,3,7,2,5,1,8,6
4や7の結果から見えてくるように,まず今どきの大学生は「目立つ」ことを嫌う傾向にあるようです。
また,物事の決断や行動においても,周りの人に決めてもらったり,周りの人の行動に合わせたりする等の消極性が目につくようです。このような傾向は,大学生全員ではないにしても,気になるところです。以前私は,いろいろな国を旅行して回りましたが,その際によく感じたことは,「諸外国の若者たちは,自己表現が活発で,元気がいい」ということです。彼らと比べると,日本の若者は大人しいと感じます。
これからの日本は,ますますグローバル化し,日本の若者も諸外国の人々と接することも多くなることでしょう。そのような場面に出くわしても,彼らに圧倒されないような気概を持って立ち向かっていく力を養っておくことも大切なのかもしれません。