第371回 さりげない気配り

とある地方都市へ出張に行ったときのことです。その都市のビジネスホテルに入ると,部屋のデスクの上にこんなタイマーがセットされていました。
写真はこちら

「お風呂のお湯を溜めたり,カップラーメンを作ったりするのに,このタイマーをご利用下さい」とのことです。

振り返ってみれば,ホテルに着いてお風呂のお湯を溜めるときに,ついついチェックを忘れてお湯を溢れさせてしまうこともあります。またそうでなくても,時々風呂場に出向き,お湯の溜まり具合をチェックしに行くのも面倒なものです。

またホテルの側としても,お客さんにお風呂のお湯を出しっぱなしにされてしまうのも,水の無駄使いとなり,迷惑なことでしょう。

いったいこんなアイディアは誰が考えついて,どのような経過を経て実行されたのでしょうか。

私はこのタイマーのセットを見て,次のように推測しました。
(1)このホテルにはパートさんも含め,特に女性が自由に意見を述べたり,アイディアを発表できるような雰囲気や場がある。
(2)そのようなミーティングで出された意見やアイディア,お客様の声の中から,実現可能なものを積極的に実行する環境がある。

以上のような企業風土があるため,このようなユニークなサービスが生まれたことでしょう。そういった目でこのホテル内を観察すると,このようなサービスはホテルの至る所に見られました。私は,「またこの都市に来たときは,再びこのホテルに泊まろう」と思いました。