第369回 新しいリーダー像
今,世界は先の見通せない激変の時代に入ったようです。従来,理想の経営者像とされたのは頭脳明晰で勤勉,並外れた才能と高い人格を持つ人物でした。しかし,これからは,次のような条件を持った人物が頭角を現すようです。
(1)安定を望まず,変化を選ぶ
(2)慎重にならず,スピードに乗る
(3)安全を追わず,リスクをとる
(4)大人にならず,情熱に生きる
(5)人に任せず,自分でつかみ取る
(6)権威におもねらず,フラットに生きる
(7)閉じこもらず,世界を見据える
(8)流されず,哲学を持つ
(9)憎まれず,かわいげを持つ
これに沿って,自分自身を振り返ってみると,共通するところがあることがわかり,少し嬉しくなりました。私は1971年,大学の1年生が終わった後,アルバイトをして貯めたお金をもとに,ヨーロッパや中近東へ貧乏旅行をしました。これは「何としてでも大学生のうちに世界を見てみたい」という強い情熱に基づくものでした。
そのときの体験は,今でも私の宝物になっており,今までの人生に役立ってきました。これまで40年以上会社経営をしてきて感じることは,生き残るためには,以上9つの要素はある程度身につけておく必要があるのではないかということです。以上の内容は『世界は悪ガキを求めている』妹尾輝男著〈東洋経済新報社〉に基づくものです。これを読んで,「これは,これからの若い起業家の人々などにぜひおすすめしたい本である」と感じました。