第345回 日本語の面白さ

日本語は他の言語と違って、ひらがな、カタカナ、漢字を自在に使って文章をつくることができます。
また助詞を使うと、1つの単語をいろいろな品詞に自在に変換することができます。
例えば、「パーフェクト」という外来語を例にとって考えてみましょう。

①「彼の仕事はいつもパーフェクトだ。」と言えばその語は名詞的に使われていると言えます。
②「彼はいつもパーフェクトな仕事をする。」と言えば、その語は形容詞的に使われていると言えるでしょう。
③さらに、「彼はいつもパーフェクトに仕事を片づける。」と言えばその語は副詞的に使われていると言えます。

もちろん、これらの文は、英語などと違って、「いつもパーフェクトな仕事を彼はするよ。」というように、語順を変えて表現することもできます。また日本語は、他の言語と違って主語によって、動詞の語尾が変化したり、名詞を男性名詞や女性名詞などと区別することもありません。

このようなことから、日本語は自由度が高く柔軟性のある言葉だと言えます。さて先日私は、日本語でしか表現できない面白いものを見つけました。それはある日めくりカレンダーの一部です。これは、大徳寺大仙院閑栖であられる尾関宋園氏の書です。

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皆さんはこれをどのように読み解かれますか。
これは「人は大きく、己は小さく、腹は立てず、心は丸く、気は長く。」と読むのだそうです。これを見て私は「象形文字である漢字の特性をなんとうまく引き出しまとめたものか!」とつくづく感心してしまいました。こんな表現ができるのも日本語ならではですね。