第338回 最近の塾の様子

先日私は大手塾さんが主催する情報交換会に参加してきました。そこでは,各塾さんの現状や日々の工夫や苦労など,いろいろな情報を伺うことができ,とても勉強になりました。ここではその中のいくつかを,差し障りのない範囲でご紹介致します。

まず,情報です。ある県では高校と,受験する生徒との面談が秋にあり,そこでその高校への専願入学者がほぼ決まってしまうこともあるようです。もし,そのようなことが全国的に広まると,事実上中3生は秋の時点で退塾することも考えられ,塾経営の上では,とても深刻な問題になることでしょう。中国における塾禁止の問題も突然起きましたが,日本においてもいつ何時何が起きるかわからないと感じました。

次は女性の雇用の問題です。塾業界は,女性の活躍の場が限られているのが現状です。その会でも女性の参加は1割ほどでした。また,塾講師として活躍していた女性でも,結婚や出産,ご主人の転勤などで,途中退社を余儀なくされる方も多くおられます。そこで,ある大手塾さんでは,そのような有能な女性にテレワークを通じて,大いに活躍してもらっているようです。

例えば,現職講師の授業の品質向上のサポート役です。その塾さんでは,すべての講師の授業を映像化しています。そして,以前その塾で講師をしていた有能な女性スタッフが,その内容を在宅ワークですべてチェックし,評価や改善点などを本部にレポートする仕組みを作っています。

その塾さんでは,各講師1コマ1コマの授業が全力投球されたものであることを追求しています。そのためには,そのようなシステムは欠かせないのです。そしてそれを支えるのが,その塾で元講師であった女性スタッフなのです。このようなシステムなら,子育て中などで何かと忙しい女性でも活躍することができます。私はその塾のポリシーとこの仕組みを知り,「何とすごいシステムを作り上げたものだ!」と,大きな感動を覚えました。