第333回 決算!忠臣蔵
私は時間が空いたので,先日プライムビデオで『決算!忠臣蔵』という映画を見ました。
忠臣蔵というと,赤穂藩筆頭家老大石内蔵助の指図のもと,赤穂浪士四十七士が吉良邸に討ち入り,見事仇討ちを果たしたという華々しい部分だけに目がいきがちです。
ところがこの映画は,その作戦が立案され決行に至るまでの,当事者の気持ちや資金の流れに焦点が当てられています。
赤穂藩藩主浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷に及んだのが,元禄14年3月14日です。
その後赤穂藩はお取り潰しになり,赤穂藩の藩士は全員浪人となります。
そして紆余曲折の末,赤穂浪士四十七士は元禄15年12月14日に吉良邸へ討ち入り,吉良氏の首級を挙げました。
このように書くと,いとも簡単に作戦が成功したように思われます。
しかし,その成功の裏にはどれだけの努力や緻密な作戦があったことでしょう。
その作戦が少しでも漏れてしまったら失敗したでしょうし,その1回きりのチャンスで,当日吉良邸の中で吉良氏を見つけることが出来なかったとしたら,世間の笑い者になっていたことでしょう。
また,この作戦を成功させるためには,多額の資金が必要でした。
当時,赤穂から江戸まで移動する1人分の旅費だけで,片道36万円ほどが必要だったそうです。
もちろん,総勢約百名ほどの浪士たちの江戸での生活費,食費,長屋の家賃,討ち入りのための武具の購入費用なども必要で,お金はどんどん出ていくばかりでした。
そのお金のやりくりをしたのが,大石内蔵助の幼馴染みである勘定方の矢頭長助です。
彼は今の額にして何と,約1億円ものお金を動かしたとのことです。
彼は,そろばんをはじいたり,秘密の資金を引き出したりしながら,そんな多額のお金のやりくりをしたそうです。
この映画をからは,そのやりくりや人々の心理の裏側を知ることが出来,とても興味深く感じられました。