第316回 若者言葉

日々子どもたちと接している仕事に就いている方にとっては、いろいろな若者言葉に出合われることでしょう。
例えば、次のような若者同士の会話を聞いたことはありませんか。
「今日のテスト無理ゲー」
「ワンチャンありかもって思った自分が草(くさ)なんだけど」
「わかりみ。おつ」

これらを意訳すると、
「今日のテストは難解過ぎた。」
「もしかしたら解けるかもしれないと頑張った自分が笑えてしまうよ。」
「本当にその通りだね。お疲れさま」
と、なるようです。
このような言葉以外にも、「エモい」(=エモーショナルな)、「りょ」(=了解)、「とりま」(=とりあえず、まあ)などがあるようです。

大人はとかく若者言葉の乱れを憂えがちですが、ここで大切なことは、大人自らが正しい日本語を話すことだそうです。
敬語の正しい使い方もその一つです。
では問題です。
以下の敬語表現の誤りを正して下さい。
1.お名前を頂戴できますか。
2.先生が今おっしゃられたことは事実です。
3.代わりに読まさせていただきます。

正解は次の通りです。
1.お名前をうかがってもよろしいですか。
(「頂戴する」は謙譲語です。)
2.先生が今おっしゃったことは事実です。
(「おっしゃる」という言葉自体ですでに尊敬の表現を使っています。)
3.代わりに読ませていただきます。
(「~させて」は不要な「さ入れ言葉」です。)
その他、日常の大人の会話の中でも接続詞ではない「なので」を使ったり、「半端ない」などの正しくない表現も時々聞きます。
言葉は人間性が出てしまうという恐い面もあります。
子ともの言葉の乱れに気付いたら、まず大人が我が身を振り返ることが大切なようです。