第31回 アドラー心理学①

皆さんはアドラー心理学をご存知ですか。塾にたずさわる方なら、コーチングとともに、このアドラー心理学は知っておかれて損はないと思います。

私は、アドラー心理学に関して数冊の本を読みましたが、その理論の斬新さに驚きました。例えば、皆さんに5才くらいのお子さんがおられたとして、遊んだ後のおもちゃを片付けなかったとします。この子に対し、皆さんならどのような態度をとられますか。

こんな母親もいるかもしれません。「○○ちゃん、何で片付けないの。いつもお母さんが『遊んだらお片付けしなさい』と言っているでしょ。あと10分で片付けなさい。そうしないと晩ご飯抜きよ!」この言葉によって、子どもはいやいや片付けるかも知れません。でも、心から納得し、次からはきちんと片付けをすることになるでしょうか。

アドラー心理学では、「褒める」ことも「叱る」ことも勧めていません。「褒める」「叱る」で育てると、「褒める」「叱る」でしか動かない子をつくると考えるのです。つまり、それでは「自分から考えて行動する」という人間は育ちにくいというのです。

アドラー心理学では、「片付けができたから、おりこうね」という言葉も、「片付けをしなさい」という言葉も否定します。なぜなら、それらは上から目線の言葉だからです。アドラー心理学ではそうでなく、フラットな目線と対等な人間関係を目指しています。