第277回 語源を知る楽しみ
私は好奇心旺盛な方で、いろいろな趣味を持っています。「釣り」もその一つです。このような季節には日本海などに出かけて、いろいろな魚を釣ってみたいものです。
釣りには、いろいろな「釣り用語」というものがあります。例えば、その日に目的の魚が釣れなかったとき、「今日はボウズになってしまった」などと言います。この「ボウズ」は、「お坊さん」のことではなく、「ボウズ頭(はげ頭)」 のことからきているようです。「ボウズ→毛がない→魚っ気がなく一尾も釣れない」という感じだそうです。
また、釣り船に乗っていて何人かの仕掛けが絡んでしまったときは、「オマツリ」と言います。そうなると、それを解くために大変な騒ぎになります。「オマツリ」は、その様子を「お祭り」に例えたところからきているようです。
驚かされるのは「上(のぼ)り潮」と「下(くだ)り潮」という言葉です。鉄道などでは、東京に向かう方向が「上り」ですが、釣りの世界ではその方向が「京都」なのです。そのため、東日本では、西に向かって流れるのが「上り潮」で、東へ向かうのが「下り潮」になります。そして、京都より西の地方では、その逆になるそうです。今は何でも東京が中心ですが、こんなところに「京都千年の歴史」が残っているのですね。
私は京都出身者ではありませんが、これを知って、何かうれしい気持ちになりました。身近に釣りの好きな人がおられたら、これらの話題を持ち出せば、話が盛り上がるかもしれませんね。