第234回 木村塾の奇跡

私は先日、表題の本を読みました。著者は木村吉宏氏で、PHPから出版されています。

木村氏は、尼崎市、西宮市、伊丹市など阪神地区、及び大阪北摂地区に、30校舎ほどを展開し、木村塾の生徒数は7千人を超えています。なぜこんな少子化の時代に大きな躍進を遂げているのでしょうか。

私は仕事の関係上、木村氏もよく存じ上げていますし、以前からその躍進振りも把握していました。しかし、この本を読むまでは、なぜそのような実績をあげることができるのか、その秘密を知ることはできませんでした。そして、やっとこの本を読むことで、その秘密の一部を知ることができました。

一般の塾では、どのように生徒のモチベーションを上げ、勉強に駆り立てたり、成績を上げるような仕組みを作っているでしょうか。少なくとも私の塾では、塾生に向かって勉強をすることの意義や、大学に行くメリットなどを伝えている程度でした。各自の定期テストの点数アップについても、「――君を追い越そう」とか「――塾打倒」などという目標を掲げ、生徒を叱咤激励する塾もあることでしょう。

この本を読んで私は、「なるほど、そういう方法で生徒の考え方やものの見方を変えてしまうのか。それはすごい仕組みだ」と感心しました。木村氏がこの本を刊行するに当たり、社員から「社長、ここまで当塾の秘密を明かしてしまっていいのですか。他塾がうちの真似をするようになると、まずいのではないですか」との声が上がったそうです。それに対し木村氏は、「真似をしてくれた方が、子どもたちのために、かえって良いことだ」と答えられたそうです。このようなことにご興味ある方は、一読をお勧めします。