第225回 『人間関係の99%はことばで変わる!』

先日私は、上記の本を読みました。この本は、堀田秀吾著で青春出版社から発行されているものです。堀田氏は明治大学の教授で言語学博士です。内容はとても面白く、参考になるところや興味深いところがたくさんありました。

詳しくは本書に譲るとして、まず興味深かったのは、「言語が変わると見えている世界も変わる」ということです。例えば、私たちが英語を話すときは、身振り手振りまで英米人のようになることはよく経験することです。

さて、ここに2枚の絵があります。まず開いてみてください。

http://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20190325.html

皆さんは,川端康成の小説『雪國』の「国境の長いトンネルを抜けると雪國であった」という文章から、その情景をAかBのどちらをイメージしますか。

Aは「トンネルの中から電車が出てきて雪国に入って行く様子を、空を飛んでいる鳥から見たような構図」の絵です。Bは「車窓の景色が真っ暗なトンネルから真っ白な雪国の景色に移り変わる様子」の絵です。

私は、この2つの絵を見たとたん、Bをイメージしました。そして、英米人であれ日本人であれ、それが当たり前だと思いました。ところが、ほとんどの英米人は、Aを選ぶそうです。私はこのようなことを知って、とても驚くと同時に、同じ人間同士とはいっても、お互いを理解し合う難しさを感じました。