第210回 コンビニの話
皆さんは、コンビニをよく利用されますか。私自身はあまりコンビニで買い物をしないので、時々しか利用しません。しかし、何かの支払いの時など、便利なのでとても有り難いお店だと思います。
特に、ドライブの時などにトイレを借りることができるのは、とても助かります。そのときはまず、「トイレをお借りしていいですか」と声をかけ、終わったらそのお礼に缶コーヒーなど、何かを買うのは常識だと思っています。
しかし先日、『コンビニ店長の残酷日記』三宮貞雄 著〈小学館新書〉という本を読んで、そのようなことは今はまれであることを知りました。今や多くの人は、コンビニのトイレは、まるで公衆便所のように、「使って当たり前」と感じているとのことです。ひどい場合には、自宅のトイレ代わりに1日に何回も平気で使う人もいるようです。また、トイレ内の備品を平気で壊したり、盗んだりする人もいるとのことです。
世の中には「コンビニは社会インフラだ」などと思っている人もいるようですが、コンビニのトイレは、コンビニのオーナーが自費で設置しているものですし、その備品も全てオーナーの負担です。そのようなことも配慮出来ない人が増えているのかと、この本を読んで愕然としました。
その他にも、この本を読んで、コンビニのオーナーの大変さをつくづく感じました。その一つが、弁当などの廃棄処分の問題です。コンビニの本部は、できるだけたくさんの食品を各コンビニに納品し、利益を少しでも増やそうとするようです。もし、弁当などが売れ残って廃棄処分となる場合には、その費用は全てコンビニのオーナーの負担となります。そのため、コンビニのオーナーはそれらを自家消費したり、パートの人々に持ち帰ってもらったりすることも多いようです。
この本を読むと、コンビニのオーナーの大変さがとてもよくわかります。また、このような実状を知れば知るほど、コンビニの有り難さがわかり、トイレを借りたときは、何百円かの買い物をするのは当たり前のマナーだと感じます。