第14回 隅田川の桜

「春のうららの隅田川・・・」と歌にも歌われた隅田川は、その堤防に植えられた桜も有名です。
私は今、理科の教材の編集で大わらわですが、新しい教科書の中のコラムに、この隅田川の桜のことが載っていて、とてもその内容に興味を覚えました。

この隅田川の堤防に桜を植えることを提示したのは、徳川第8代将軍吉宗です。一体なぜ将軍がそんな指示を出したのでしょうか。
庶民に楽しみを与えようとしたり、また、風流な心からそうしたのでしょうか。

それは何と「防火」のためだそうです。
隅田川の堤防に桜を植えると、春には桜を見にたくさんの人が訪れます。すると、その人々が堤防を踏み固めることで、堤防が丈夫になります。吉宗はそれを狙って桜を植えたそうです。
大きな機械もない時代のこと、先人の智恵には驚かされます。