第12回 マイナンバーは「ナンマイダ」か?

もう皆さんのところにはマイナンバーは来ていますか?私のところにはまだ来ていませんが、マイナンバーの制度についてとても気になるので、「入門マイナンバーの落とし穴」という本を読んでみました。

マイナンバーについては、内閣府が設けるコールセンターに8月末で1日2千件を超える問い合わせがあるなど、ようやく関心がもたれてきたようです。

あるIT企業の社長は「これはアベノミクスの第4の矢だ」と言って、これからのマイナンバー特需に期待する向きもあるようです。また、マイナンバーの情報漏洩についての保険も生まれているようです。マイナンバーに関する国民の一番の関心事は、2016年1月から始まる確定申告など、税務の手続きでマイナンバーの記入が求められたり、所得や資産が丸はだかになったりすることでしょう。

マイナンバーを記入しない場合罰則はありませんが、しつこくその理由を聞かれたり、それを記入しなかった人がマークされる恐れはあり、今後どんどんとその適用範囲が広がることは充分あるようです。また会社に内緒で副業を持っている人などについては、それが露見する可能性は、より高まることになりそうです。また、何らかの理由で仮名などを使って生活をしている人なども、それが露見したりして、息苦しい世の中になっていくことも考えられます。

このマイナンバー制度は、全ての法人に対して13ケタの「法人番号」も導入されるようです。この制度によって、厚生年金などの社会保険に入っていない民間事業所などがあぶり出されるとすると、過去2年にさかのぼり、多額の社会保険料を徴収される可能性もあります。そうすると、場合によっては、そのお金を払いきれず、倒産するところも出てくるかも知れません。

また、怖いのは個人情報の流出や、なりすまし犯罪のようです。マイナンバー制度のように、一つの番号を広く利用しているのは米国、韓国、スウェーデンなどですが、世界的に見るとこのシステムは時代遅れで、利用国は前述のような流出や犯罪に頭を悩まし、その社会的コストも多額にのぼるようです。この本を読んで、「これからは何かとても怖い世の中になりそうだ」と感じました。マイナンバーについては、もっと本などを読んで調べていく必要性も感じました。