第142回 『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』

先日、上記の本を読みました。というのも、94歳になった母は、最後に誤嚥性肺炎になりかかって入院し、それがきっかけで亡くなってしまったからです。食べ物がうっかり肺に入り、それがもとで肺炎になってしまう誤嚥性肺炎は、本当に怖い病気だと思います。

人間も動物も、食べられなくなったら死に近くなるといいます。母も、最後は食物を飲み込む力が弱くなり、やっとの思いで食事を食べていました。飲み込む力が弱るのは、致し方のないことだと思っていましたが、この本では、その力は鍛えることができると書いてあり、とても驚きました。

その本によると、人は40代、50代の頃から飲み込む力が衰えてくるそうです。例えば、皆様にはこんなサインがないでしょうか。
・食事中にむせたりせきこむことが多い。
・しょっちゅう咳払いしている。
・以前より声が小さくなった。
・薬やサプリメントなど、大きめの錠剤を飲みにくく感じるようになった。
これらは皆、「飲み込む力の低下のサイン」だそうです。

飲み込む力は、発声機能と密接に関連しています。大きな声でしゃべったり、歌ったり、笑ったりすると、のど仏が盛んに上下します。この動きを頻繁にすると、のどの筋肉が鍛えられるそうです。ですから、「カラオケ」「おしゃべり」「笑い」はとてもいいようです。

こうしてみると、一人暮らしの老人などで、人とのおしゃべりや笑うこともせず、テレビばかり見ている人などは、どんどんと誤嚥性肺炎にかかりやすくなっているのかもしれません。では、飲み込む力を鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは小まめに歩く習慣をつけ、体を鍛え、基礎体力をつけることだそうです。また、口を横に広げて「イィー」と言ったり、サランラップの筒に丸めた新聞紙を詰め、吹き矢のようにして遊ぶことも、飲み込む力を高めるのに有効だそうです。

もし皆さんのお近くの人で、飲み込む力の低下の疑いがある方がいたら、是非、以上の事を心掛けるよう勧められたらどうでしょうか。