第116回 若々しい脳の作り方

脳の科学者・医学博士である岩崎一郎氏の講演のダイジェストを読みました。アメリカ・シカゴにあるラッシュ大学付属病院の研究チームが、1000人以上の高齢の方たちにアンケートを取ったそうです。その結果から、「志が高い人(他人のことを思いやることのできる利他的な人)ほど、脳が健康な状態に保たれている」ということが分かりました。

では、脳が健康であるという状態は、どのようなことをいうのでしょうか。それを調べるために、アメリカのカリフォルニア大学のグループが研究しました。その方法とは、おでこの辺りにある、脳の司令塔の役割を果たす「前頭葉」とよばれる部分を、強力な磁気刺激を使って、活動できないようにするというものでした。その結果、「脳はもともと利他的な考え方や行動をとる」ということが分かったそうです。つまり、人間の脳は、人の幸せや世界の平和について考える方が、生まれつき持っている特性を発揮する、ということです。

これらのことから、脳を健康に保つには、「人の幸せや人の役に立つことを考え、行動することが大切である」と言えそうです。逆に、利己的なことばかり考えていると、脳にブレーキをかけてしまい、認知症になりやすく、更に、寿命も短くなりがちだそうです。

私はこれを知って、自分の幸せを追求することも大切ですが、周りの人を喜ばせることをもっともっと意識せねばと、痛感しました。