第67回 1.01の365乗の驚異

皆さんは1.01の365乗がいくつになるか、ご存知ですか。私はその結果を知って、唖然としました。その前に、0.99の14乗を計算して、その結果にも驚きました。そして、その数字の正しさにも納得しました。

話は変わりますが、腰を患い、2週間程ほとんど寝たきりで過ごしました。その間、動くことといったら、トイレに行くときぐらいのものでした。その間は腰の痛みに呻きっぱなしで、とても運動どころではありませんでした。ほぼ2週間がたち、ようやく痛みもひいたため、そろそろ自主的なリハビリでもしようかと思いました。そこでまず、自分の太ももを見てビックリしました。今までテニスやスキーで鍛えてきた、少し自慢の自分の太ももが、見るも無惨に細くなっていたのです。それらは入院前にはパンパンに張っていたのですが、その時には、その太ももを指でつまむと、脚の皮が3㎝くらいも伸びる程に弛んでいました。

これを見て私は、「たった2週間でこんなにも退化するのだ」と驚きました。そして次に私は階段をのぼってみました。するとどうでしょう!今まで何の苦もなくスタスタとのぼれていた階段が、手を階段の手すりにかけ、腕の力で体を引き上げないと、のぼれなくなってしまったのです。これでは登山に行こうにも、低い山すら登ることができません。その退化の速さに改めて驚きました。

つまり、この事実は0.99の14乗の計算とぴったり一致するのです。ちなみに、0.99の14乗は約0.85です。つまり、毎日たった0.01(1%)の手抜きをするだけで、14日後には100の能力が85にまで落ちてしまうということです。努力の手抜きとは、何と恐ろしいことでしょう。

さて、話を最初に戻して、では一体1.01の365乗はいくつになるのでしょうか。それは何と37.8です。毎日、今までの自分より1%だけ成長しようと努力すれば、1年後には今現在の約38倍になれるという計算です。

毎日毎日どんな日でも、昨日より1%アップするということは、とても難しいことなのでしょう。しかし、過去に現れた偉人や、現代の名人は、見えないところで人並みはずれた努力を続けたことでしょう。これらの数字から、コツコツとした努力の大切さと手抜きの恐ろしさを学びました。