第448回 ネット社会の不気味さ
皆さんはFacebookを見たり,Amazonで買い物をしたり,プライムビデオで映画を観たりしている時,何か不気味な空恐ろしさを感じたことはありませんか。
例えば,Facebookで卓球のページをいくつか見たとします。すると,卓球関連のページばかり出てきたり,卓球に関するグッズの宣伝が頻出します。Amazonで本を購入すると,その購入履歴からその人の好む本や,好きな作家,分野ばかりが紹介されます。これはプライムビデオでも同様です。そしてその結果として,自分の世界がどんどん狭められていきます。
一方,書店で本を買う場合はどうでしょうか。書店に行けば自分の好きな分野や作家以外にも目が行き,自分の視野も広まり,思わぬ本との出会いもあることでしょう。
これからますます進むであろうネット社会では,今まで以上に世界中の膨大な情報が瞬時に入ってくることでしょう。しかし,ここには大きな落とし穴が潜んでいます。これから進む情報社会は「多くの情報を得られる社会」とは相反し,「本当に必要な情報が見えなくなってくる社会」とも言えます。
これからのネット社会では,うっかり油断していると,私たちや子どもたちが偏った世界に誘導されてしまう危険性もあるように感じます。私たちにとって便利だからといって,何でもネットで注文するのではなく,たまには本屋さんや街をブラブラしながら買い物をすることも大切なのかもしれません。