第411回 天才脳を育てる

最近の少子化傾向によって,「少ない子どもをじっくりと丁寧に早い時期から育て上げる」という風潮が強まっているようです。そのために,子どもが0才や1才の頃から早期幼児教育を施していくご家庭も増えています。それはそれで素晴らしいことなのですが,一歩間違えると子どもの個性や才能を潰してしまう恐れもあります。

長年にわたり潜在意識の研究をしてきた(株)感性リサーチ代表の黒川伊保子氏は,4年がかりで世界中の「天才」について調べ,「天才脳」に共通する三つの条件を見つけ出したそうです。その条件の一つ目は「好奇心が湧いて止まらない」です。天才脳は,好奇心に溢れ,ありとあらゆることに前向きな好奇心を抱きます。

条件の二つ目は「意欲が湧いて止まらない」です。天才脳は,がっかりすることがなく,次々に挑戦し続けます。例え試みが失敗しても,がっかりすることなく,その瞬間に「次はこうしてみよう」と考えるくらいの打たれ強さを持っています。

条件の三つ目は「しみじみしやすい脳の持ち主である」ということです。それを別の言葉で言えば,「感激しやすい脳の持ち主である」ということです。ノーベル賞を取ったアメリカの文学者,ジョン・スタイン・ベック氏は,「天才とは,蝶を追っているうちに山頂まで登り詰めてしまった少年である」と言っています。天才とは,それくらい無邪気に好きなことに夢中になれる人なのでしょう。

早期幼児教育にしても,以上のような三条件を育てながら行うことが大前提ではないかと,私には思われます。