第409回 来年度からの新教科書

来年(2024年)から小学校の教科書が部分改訂されます。当社では先日,これからの教科書がどう変化しているかを確認するために,それらの閲覧に行ってきました。その中で特に驚いたのが,東京書籍の小5・小6の英語の教科書です。

今までの小学校の英語のテキストは「聞く」「話す」の指導が中心で,「アルファベットや簡単な英単語や文章を書かせる」というページは,ほとんどありませんでした。その結果として,音声中心の英語教育を受けた子どもたちの多くは,中学校に入って急に「書くこと」を求められるため,戸惑ったり,挫折したりしているのが現状です。

当社が去年の秋に出版した「中学英語へのかけ橋」は,「小学校のうちに『書くこと』に慣れ,中学に入ってからの『中学英語』にスムーズに対応できるようにする」ことを目的としたものです。おかげさまで,その主旨を理解して採用下さる方も増え,その評判も徐々に上がっているようです。

さて,今回の東京書籍の教科書は,中学校の現場の先生方の声を大いに拾い上げたかのように,随所に「書くこと」のコーナーが設けられ,「書くこと」の重要性が強調されています。「書くこと」に最も積極的にページを割いているのが東京書籍ですが,他の出版社も徐々にその傾向を強めているようです。

このような変化と東京書籍の採用率のシェアの高さから推測すると,今後の小学英語においては,「書くことの重要性」にスポットライトが当たっていくように感じられます。