第408回 相手に伝わる話し方
皆さんは,人前での話し方は上手な方ですか。私は気が焦って早口になったりして,あまり上手とは言えません。そこでラジオDJとして全国30局で番組を担当している西任暁子(にしと・あきこ)氏の『誰が聞いてもわかりやすい話し方』〈王様文庫〉という本を読んでみました。その中で「なるほど!」と思ったことを少し書いてみます。
まず大切なことは,読む言葉と聞く言葉は違うので,話すときは「聞いてすぐに意味がわかる言葉を使う」ということです。例えば,「視覚」という言葉を会話で使ったとします。すると聞き手はその言葉を「シカク」という音で捉えます。そのとき,聞き手としては,「シカク」という言葉には「四角」「死角」「資格」などの同音異義語がいくつかあるため,どの熟語なのかと戸惑ってしまいます。
よって,このような場合,話し手は「シカク」という言葉ではなく,「めでみること」などの「やさしい言葉」を使った方が良いということになります。これを氏は「『四角い言葉』でなく『丸い言葉』で話す」と表現しています。これを応用すると「救済措置がとられた」という表現は控えて「たすけましょうと,たすけのてがはいった」などと言えばいいとわかります。
そういえば,ジャーナリスト・池上彰(いけがみ・あきら)さんのニュース解説では「丸い言葉」が多用されていますね。それが「彼が担当するニュース解説はとてもわかりやすい」と言われる秘密の一つなのでしょう。この本には,上手な話し方のヒントが満載です。ご興味のある方は是非ご一読を!
オットット,この文章は書き言葉なのでOKでしょうが,話し言葉ではNGでしょうね。話すときは,次のように変えるべきなのでしょう。「このほんには,はなしかたがうまくなるひんとがたくさんのっています。おもしろそうだなとかんじたかたは,およみになってはいかがでしょうか。」