第407回 これから伸びる塾のヒント

先日,奥様が小学校の先生をされているという知人と話をする機会がありました。今や,小学校の先生は超多忙であると世間では言われています。その辺のところをお聞きすると,「それは確かにその通りだが,それは小学校の校長先生の考え方によって,かなり異なる」とのことでした。その大きな違いは,保護者対応に表れるとのことです。

具体的にいうと,「学校としてすべきことはするが,家庭ですべきことは家庭内できちんとして欲しい」というように,しっかりした考え方をもった校長先生が率いている小学校は,各先生の負担も軽くて済むとのことです。逆に,保護者から無理難題を押しつけられ,それに振り回されてしまうような傾向のある小学校では,先生の負担が重くなり,大変なようです。つまり,運営がうまくいっている小学校では,「教師-保護者-生徒」の「師弟関係」のような絆がしっかりしているとのことでした。

さてそれから数日後,大手塾さんの会合に参加させて頂きました。そこでは各塾が運営されている複数の教場について,「教場毎に生徒数のバラつきが出る」ということが問題になっていました。

その原因は,地域による所得格差によるものなのでしょうか。

じっくりと各塾さんの報告を聞くと,その差は「校舎長の力量」にあるようです。具体的に言うと,「校舎長がしっかりした教育観を持ち,生徒や保護者に妥協することなくそれを伝え,貫き通すところは,生徒も増えるとのことです。逆に,校舎長の考え方が揺らいでしまい,生徒や保護者に迎合してしまうような校舎は,集客に苦戦しているようです。

以上のような2つの報告をまとめると,次のようなことが言えるようです。それは,教育者は「ダメなものはダメ」というような,確固たる教育観を持って保護者や生徒に接し,強い師弟関係を築くことが大切であるということです。