第394回 言葉の力

もしあなたが,「親」や「上司」だったとして,常日頃「子」や「部下」に対してどんな言葉がけをしていますか。

私はかつて「家族」や「スタッフ」を「変えよう!変えよう」として,次のような言葉がけをしていました。

「〇〇のことについては,△△のようにしてくれ!」

すぐおわかりになるように,このような一方的な言い方では,その言葉を受けた側としては,決していい気分はせず,ヤル気も起こりません。また,人間関係も悪化していきます。

そのようなことで悩んでいた時,倫理法人会での学びのテキストの中にある次のような文章に出会いました。

「今日までは相手の人を直そうとした。鏡に向かって顔の墨を消すに,ガラスを拭こうとしていたので,一向に落ちぬ。自分の顔を拭えば良い。人を改めさせよう,変えようとする前に,まず自分から改め,自分が変われば良い。」

私はこの文章に出会ったとき脳天をカチ割られる思いがしました。「これは正に自分のことを言われている!」と感じたからです。鏡に映った顔の墨を消そうと躍起になっても,絶対に消すことはできません。それにもかかわらず,さらに力を入れて消そうとすれば,ますます相手との軋轢が強まってしまいます。

やっとそのことに気付いた私はその後,「言い方を改める」即ち「自分を変える」ことにしました。具体的には今までの言い方をやめ,次のように改めました。
「○○のことについて,あなたはどうしたらいいと思いますか。あなたの考え方を聞かせて下さい」という感じです。

すると少しずつ相手と私の距離が縮まって,人間関係も良好になってきました。
このことから私は,「自分を変えることの大切さと,言葉の力の大きさを知ることができました。