第319回 新型コロナの大誤解

世の中では相変わらず新型コロナの話題でもちきりです。
そこで私は「新型コロナの大誤解」西村秀一著〈幻冬舎〉という本を読んで,根本から新型コロナについて学びました。
氏は国立病院機構仙台医療センターのウイルスセンター長をされており,呼吸器系ウイルス感染症研究における日本の中心人物の一人です。

世の中には,あまりに新型コロナを恐れすぎて,やらなくてもいい対策をしている人もいます。
またテレビなどでそれを煽りたてる人もいます。
何事についても「真実は何かを」を追求するタイプの私は,いろいろと出版されている本の中から,この一冊を選んで読んでみました。
そこで得たポイントの一つには,次のようなことがあります。
新型コロナを知る上で一番大切なことは「新型コロナの感染は,ほとんどのところ『空気感染』によって行われる」ということです。

ウイルスには,新型コロナのようなインフルエンザウイルスとは別に,ノロウイルスなどもあります。
ノロウイルスは胃酸に強いので,患者が吐いたものの中にあるウイルスを口に入れると,消化器官を通じて感染してしまいます。
一方,新型コロナはインフルエンザウイルスの一種なので,そのような感染のリスクは低いとのことです。
つまり,「新型コロナは呼吸器系ウイルスなので,空気感染しないように最善の注意を払うのがポイントである」ということです。
よって新型コロナ対策しては,手洗いよりもうがいの方が大切であるといえます。

氏は2020年2月にクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の調査にも加わっています。
その際には,空調の設計情報も調べています。
その船では省エネのため,完全換気はされておらず,複数の客室の空気が船内を循環するものだったそうです。
それが感染拡大の最大の原因だったようです。
結論としては,新型コロナの感染を防ぐ最良の方法は,換気や空気の流れに気を配ることだそうです。

この本には,その他PCR検査の真実なども記載されており,大変勉強になりました。
何事においても一方的な報道に惑わされず,自分なりにいろいろな情報を集め,最後は自分の頭で考えて決断して行動するということが大切だと私は思っています。