第310回 ゴールデンエイジ

私は先日、日本講演新聞にて、コラムニスト・スピーチライターのひきたよしあき氏の講演ダイジェスト文を読みました。
その中で「ゴールデンエイジ」についての内容が興味深いものでした。
ゴールデンエイジとはおよそ9歳から12歳の子ども時代のことを指します。
その時期は人生の中で最も色々なことを覚える時期です。

この頃の子どもの特徴として次のようなことがあります。
1.何でもすぐに吸収するのだがすぐに忘れてしまう。
2.何かにすごく興味を示してもすぐに飽きてしまう。
3.じっとしていられず、跳んだり跳ねたりする。また、話の脈絡がない。

これらは決して悪いことではありません。
興味を持ったことに即挑戦、またもっと興味を覚えたことに即挑戦、こういったサイクルの中で、あちこちの神経が刺激され、子どもは成長するのです。
大人がこのような子どもの姿を見ると、「忘れっぽい」「すぐ気が変わる」などと批判しがちですが、これは子どもの大いなる成長の過程なので、大目に見てやることが大切なようです。

さて、ゴールデンエイジを過ぎると、今度は反抗期がやって来ます。
反抗期とは「親に反抗する時期」ではないようです。
反抗期というのは、お腹の中にいる時からずっとお母さんの声を聞いてきた子どもが、他の人の言葉を聞くためにお母さんの言葉を生理的に拒絶する時期です。
だから子どもからするとお母さんの言葉が「うざい」ということになるのです。

お母さんにしてみると「なんだ、この子は。私の言うことを一つも聞かないで」と思いがちですが、子どもは社会の色々な声を聞かなければならないので、お母さんの声が一時的にうるさく聞こえるのです。
ですからお母さんは、「今、子どもはそういう時期にあるのだ」と自覚することが大事なようです。
この時期は子どもにとって、抽象的から論理的に言葉を使う期間です。
ここで大切なことは、たくさん本を読んで色々な人と話をすることだそうです。