第275回 靴とマスク

皆様、何かと大変な時期ですが、お元気ですか。

私自身は自宅や会社でじっとしていながら、今年行われた公立高校の理科の入試問題などを解いています。問題の傾向としては、「身近なところからの出題」が増えているように感じます。とはいっても、ポイントは教科書を中心にした「基礎力」が大切であることは言うまでもありません。

さて、今回の新型肺炎(以下コロナと略)については、いろいろなことが言われています。何が本当かはわかりませんが、私なりに「なぜ日本はアメリカやイタリアのように『爆発』しないのか」という点について、ポイントとなることを考えてみました。

1つは、『生活習慣の違い』は大きいように思います。ヨーロッパやアメリカの人々は親しみの挨拶として、キスやハグをよくします。一方、日本では、おじぎが中心で握手もあまり馴染みがありません。これは、コロナが主に接触により感染するという観点からすると、大きな違いだと思います。

また、履物の文化の違いも大きいように思います。国によっては、唾や痰などを道に吐きつけることを平然と行う人もいます。そうすると、そこで吐かれた痰などが、たくさんの人の靴裏に付着します。日本では玄関で靴を脱ぐので、靴裏に付着したコロナウイルスは、一応玄関でストップされます。しかし外国では、その靴は部屋の中まで侵入しますから、家中にウイルスが蔓延することになるでしょう。私は、このような文化の違いもコロナの蔓延に影響しているように思っています。

さて、マスクについてはどうでしょうか。私は何年か前に台湾に行ったときに、驚いたことがあります。それは、「台湾では、日頃から健康維持に心掛けている人が多い」ということです。例えば、食堂に行ってもお酒をのまない人が多く、のんでもたしなむ程度である人ばかりなのに驚きました。(特に私はよくのむ方なので(笑)。) 次に、「日本と同じか、それ以上にマスクをしている人が多い」ということにも驚きました。これも台湾の人は日頃から健康に留意している証なのではないかと感じました。

今回、台湾は見事にコロナを封じ込めましたが、その要因の1つには、このような国民性もあるのでは、と感じました。日本でもほとんどの人がマスクをつけるようになりました。「マスクをつけても感染防止には役立たない」という意見もありますが、多くの人々がマスクをつけるのは、別の意味合いもあるのではないでしょうか。

それは、今やマスクは感染防止の域を超えて、コロナに立ち向かう国民の「団結のシンボル」という役割も果たしているのではないか、ということです。過去の歴史からみても、いざというとき、日本人は一致団結の力を発揮してきました。日本人なら今回のこの難局も、その力を発揮して乗り越えていけるだろうと思っています。