第105回 「老い」のサイン
落語家の三笑亭夢之助さんの文章を読みました。氏曰く、「芸人たるもの、老けてはいけない」とのことです。では、「老ける」とはどういうことでしょうか。
それは「観る」「聴く」「嗅ぐ」「味わう」「触れる」といった五感に、ほこりがかぶってくることだそうです。
俳優の高倉健さんは、自宅に大きなスクリーンと3千本ものビデオを持っていて、絶えずそれを観て、「観る感覚」を高めていたそうです。また、「味わう」感覚にも積極的で、「うまいラーメン屋がある」と聞くと、タクシー代を何千円使ってでもそこに行くなどしたそうです。
「老いてくる」といろいろなことが面倒臭くなってきます。また、日常の習慣を変えたり、新しいことに挑戦することも少なくなります。そうすると段々、五感が鈍くなってきます。このようなことを知って、私はコンサートに行ったり、めずらしい物を食べたり、旅行に行っていろいろな体験をしたりすることを、ますます意識していこうと思いました。