第312回 これからの英語教育

中学生は4月から新教科書で英語を学び始めました。
以前から私も予想していましたが、現場では既にに大きな混乱が生じているようです。
例えば、今までは現在完了の文型を中3で学んでいました。
ところが、一部の新教科書ではその文型が中2に出てくるため現中3生はその重要単元を学ぶ機会をなくしたまま、急に難しくなった新教科書と対面せざるを得ないなどの現実です。

このようなことを考えると、これからの生徒や先生の大変さが感じ取れます。
いったい今後の英語教育の影響はどのようになるのでしょうか。
まず考えられることは「英語嫌いの生徒が大量に生まれる」ということでしょう。
小学生のときの英語学習は、「英語に触れるだけ」ですから、生徒は気を楽にして取り組めることでしょう。
しかし、中学生になってからの英語では、文法も読み書きも加わり、定期テストにも出題されるわけですから、今までの状況とは全く異なります。
従来の英語教育でも英語嫌いを生み出しているわけですが、今後はますますそれに拍車がかかることでしょう。

さて、塾にとっては、このような状況は一つのチャンスです。
難しくなった教科書でも、スイスイと対応できるような英語力を身につけた生徒を育てられれば、それが評判を生み、多くの生徒を呼び込むことができるからです。
その具体的な方法とは、独自の小学英語コースをつくり、小学生のうちから中学英語に対応できる力を身につけさせてしまうメソッドを確立することでしょう。

そのために大切なことは、小学生のうちに英語の読み書きをマスターさせることです。
その習得は中学校に入ってからでは無理があるからです。
その習得のキーになるのが、フォニックスです。
フォニックスをマスターすれば、未知の英単語でも読む手がかりが得られ、スペリングも綴りやすくなります。
そしてこの勉強は学校では行いませんので、塾ならではの特色付けにピッタリです。
次の段階として大切になるのが、易から難へのステップ式英語学習です。

例えば、どんなスポーツでも反復練習を通じて基礎から技術をマスターします。
そして、その後に試合などに参加させ、総合力をつけていきます。
翻って中学校の教科書を見ると、地道な基本のマスターを省いてしまって、いきなり試合の場に参加させるようなつくりになっています。
それでは、生徒に力をつけさせることはできませんし、英語嫌いを生み出す原因となることでしょう。
もし私が塾をもう一度立ち上げるとしたら、この2点をしっかり踏まえた小学英語コースを設計し、小学生のうちに英語の土台をつくり上げることを実践します。
宣伝のようになってしまい恐縮ですが、そのために最適な教材としては「アルファベットの名人」と「ステップ式英語1」があげられます。
さらに易から難へとステップ化された英語の絵本を多読させるなどの指導も加えていくことでしょう。