第523回 脳寿命を延ばす
70歳あたりを過ぎた人と会話をしていると,人によってまちまちな人生を送り,その結果が脳寿命に変化を起こしているのではないかと感じられます。例えば,一日中テレビを見て過ごしている人がいたとします。そのような方は認知症などが早い時期から現れやすいかもしれません。
2025年10月28日号のニューズウィーク日本版では,精神科医の和田秀樹氏が執筆した「脳寿命を延ばす20の習慣」という記事が載っていました。その主なポイントとしては,次のようなものが挙げられます。
1.日々考え,悩み,迷って脳を使い続ける。
2.仕事を続ける。
3.意欲を保つ。
4.インプットよりアウトプットに努める。
5.人との交流を楽しむ。
私自身は午前中は会社に出てこのブログを書くなどの仕事を続け頭を使っているので,脳寿命を延ばしているタイプかもしれません。さらに,この記事を読んで私の趣味の一つが脳寿命を延ばす上で大きな役割を果たすのではないかと感じました。
それは家庭菜園です。この趣味は,頭がクリアーなままに94歳まで生きた母親のそれを受け継いでいます。
先日こんなことがありました。十年来元気に逞しく育ち,味噌汁の具として重宝してきたオカワカメという植物が急に元気を失ってしまいました。葉の至る所に穴が空き,株全体が萎れてきたのです。これは一体なぜなのかをネットで調べても私の頭では解決できませんでした。そこで私が尊敬する植物の師匠に相談してみました。すると,その原因はヨトウムシという虫の食害ではないかとのことでした。早速私は地面に這いつくばって虫を探しました。すると,居ました,居ました!
いかがでしょうか。これらの一連の思考と行動は,一日中テレビを見て過ごす習慣とは異質と言えることでしょう。
「なぜそうなってしまった」と考え,悩んで脳を使い続け,「何とか解決しよう」という意欲を保ち,「師匠とやり取りをする」という交流が含まれているからです。
この記事に励まされた私は,母を超えて,百歳までは家庭菜園を続けようと決意を新たにしました(笑)。
